コラム

かわいくない子供

2001年2月20日

 

子供を虐待する事件がこのごろよく報じられる。児童虐待で検挙されるケースは確かにかなり増加しているらしい。虐待そのものが昔と比べて増えているような印象を受けるが、仮に虐待が増えているとすると、原因はなんだろうか。子供に注ぐ親の愛情が薄くなってきていることが根本的原因だなどと新聞には書いてあるが、ほんとうにそうだろうか。新聞は書きやすいことを書いているだけだし、テレビは言いやすいことを言っているだけだ。親に原因がないとは言わないが、子供自身には原因がないのだろうか。

何かと言えば、今の子供は、昔の子供と比べるとどうもかわいげがないような気がするからだ。かわいくない子供が虐待されるのは、ある意味ではしかたがない。昔の子供は、だいたいハナをたらしていてバッチかったが、飴玉やチョコレートのかけらでも目を輝かせていたし、ケーキでももらおうものなら走り回って喜んだものだ。そこへ行くと、今の子供はこぎれいにしているが、ケーキぐらいじゃ鼻も引っかけない。おもちゃをもらってもそんなに嬉しそうじゃない。ままごと遊びを見かけることもない。草花に話し掛ける姿も見ない。わけのわからない歌を歌っていることもない。そんなことで、子供がかわいいものであった時代は過ぎたのかもしれない。それが子供自身の命取りになっているのかも。

そうは言ってもしかし、子供はやはりかわいい。魯迅ならずとも言いたい。子供を救え。